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 **Flying in the sky ◆Yf4GQL3Gk6
 
 
 「ウ、ウヌゥ……」 
 会場の一角に停泊する、殺し合いの場には不釣合いなほど豪華に飾り立てられた豪華客船の、医務室のベッドのシーツの上。 
 「こ……、ここはどこなのだ!き、清麿はどうなったのだ?」 
 
 そこから、金髪の、小柄な姿が、飛び起きた。 
 
 正直な所、ガッシュはまだ現状を良く理解してはいない。突然、謎の場所に呼び出され、突然、殺し合いをしろと言われ、 
 そして―――突然、自らの最も信頼するパートナー、高嶺清麿と引き離された。 
 わかっているのは、そのくらいのものだ。自らを呼び出し、「螺旋王」と名乗った者の正体はおろか、その「螺旋王」に 
 挑みかかって返り討ちにあった異形も、今自らのいる場所も、高嶺清麿がいる場所も、 
 
 「ど、どうなったのだ?どうなっているのだ……?」 
 
 何も、わからない。 
 
 ガッシュは、焦った。ここに飛ばされる前の記憶によれば、ここは「殺し合い」の場であるらしい。 
 ガッシュも、戦いを知らないと言うわけではない。これでも、魔界の王候補の一人。高嶺清麿と共に、多くの敵と戦い、多くの仲間と 
 助け合って、多くの危機を乗り越えてきているのである。 
 
 しかし、今までは、仲間がいた。ティオも、キャンチョメもいた。何よりも……、清麿がいた。 
 
 
 「はっ!き、清麿が危ないのだ!」 
 
 突然、ハッとしたように立ち上がるガッシュ。螺旋王から、この殺し合いゲームの説明を受けた時まで、清麿が側にいた事を思い 
 出したのである。 
 彼のパートナー、清麿は普通の中学生である。いや、頭脳は普通どころか、超が付くほどの大天才であるが、肉体的な能力は 
 所詮、普通の中学生である。 
 
 今までは、二人で力をあわせて困難に立ち向かい、幾多の危機を乗り越えてきたが……それも、清麿の心の力と、ガッシュの術、 
 その両方があってこそのものである。 
 今、二人が離れ離れになったこの危機的状況で、もしも凶悪な敵に襲われたら……。 
 
 
 清麿も、ガッシュも、生きてはいられないだろう。 
 
 
 
 「こうしてはおれぬ、いかなくてはッ……!?」 
 
 清麿を死なせたくない―――清麿を探して、必ず助ける。 
 強い決意を胸に秘め、全速力で走り出すガッシュ。そしてその直後、支給品のディパックに足を取られて、スッ転ぶガッシュ。 
 
 「いたたた、そういえば、これを忘れておった……」 
 
 これは、たしか螺旋王から渡された、いろんなアイテムの詰まったタカラ箱。よくよく考え直せば、清麿に出会う前に別の悪い 
 敵に見つかってしまう可能性もある。そうならない為には、このディパックから、何か身を守れる物を出す必要がある。 
 
 「この中に……、何か良いものが入っておればよいが……」 
 
 祈る様な気持ちで、ディパックの中身を漁るガッシュ。始めに手に触れたものは、フカフカしてやわらかくて、暖かい…… 
 
 「ネズミ、か?」 
 
 ……クリクリした丸い目を持って、尻尾の先にフサフサの毛玉を持つネズミのような生き物。とある世界では、「爆弾生物」 
 との異名を取り、金に目が眩んだ運び屋を何人も爆殺した、歩くA級危険物ポルヴォーラ。それが、ガッシュの前に現れた。 
 見れば、足に足輪と重りを括り付けられている。これで勝手に歩いて勝手に爆発という事態を防ごうとしているのだろう。 
 
 「オヌシも、どこかからこの変な場所に飛ばされたのか?」 
 
 
 しかし、ガッシュは、ポルヴォーラを知らない。だから、この毛だるま生物が、「武器」として支給されたなど、思いも寄らない。 
 精々、自分と同じように世界のどこかから螺旋王と名乗る男に連れてこられた生き物、としか思ってはいなかった。 
 人間界ならいざ知らず、この程度の異形なら、彼の故郷の魔界には掃いて捨てるほどいる。 
 
 「……」 
 「……」 
 「……………………」 
 
 だから、この魔物も話が分かる、と思い、話しかけたガッシュであったが……、帰ってきたのは長い沈黙だけ。 
 
 「オヌシ、もしかして喋れないのか?」 
 「……………………」 
 「……スマヌ、聞いた私が間違っておった」 
 
 何を言っても暖簾に腕押し、首をかしげるだけのポルヴォーラは、身を守るのに役に立たないと判断し、デイパック漁りを 
 再開するガッシュ。やがて、一つの紙包みを取り出し、開けた……までは良かったのだが。 
 中から出てきたのは、武器でもなければ防具でもない。チョコである。ネオホンコンのとあるお偉いさんが愛したチョコを、 
 ありったけ集めて袋詰めにしたお菓子セット。平時ならこれを見た子供は大喜びするものであるが、あいにくとガッシュの 
 身を守るためには、全くもって役に立ちそうもない。 
 
 「……、こんなものではどうにもならぬのだ……ハァ……」 
 
 ガックリとうなだれるガッシュ。半ば諦めかけた表情でデイパックをひっくり返し、振った。 
 
 
 
            ゴ  ト  ッ 
 
 
 
 すると、一冊の赤い本が、医務室の冷たい床の上に転がり出てきた。魔物の術を使うための本、赤い魔本。ガッシュの本。 
 ガッシュは、それを見るなり、今にも万歳をしそうな勢いで喜んだが、やがて元のようにうなだれてしまう。 
 
 「本があっても、清麿がいないと意味が無いのだ……」 
 
 医務室の床に座り込み、しばしの間いじやけるガッシュ。傍らではポルヴォーラが、支給品から引っ張り出した板チョコを 
 勝手に齧っており、その咀嚼音だけが医務室に響き渡る。 
 
 
 
            ガタゴトッ! 
 
 
 
 「ウ、ウヌッ!い、今の物音は一体何なのだ?」 
 
 静寂を打ち破り、突如別の部屋から、聞こえてくる物音。なにやら硬いもの同士がぶつかる音や、刃物がガチャ付く様な、 
 耳障りな音が次から次へと漏れ出してくる。 
 ガッシュは、ポルヴォーラと板チョコ以外の支給品をあわててデイパックの中へとしまいこみ、そろりそろりとドアへと忍び 
 寄り、耳を鍵穴に押し付け、全神経を集中させて隣の部屋の様子を探った。 
 
 「……切る?……〆る!?おおおおお、恐ろしい話が聞こえるのだ……!」 
 
 その結果は、最悪。少し音源が遠すぎるため、正確な話は聞き取れないが、切るだの〆るだのと、会話の所々に物騒 
 極まりない単語が混じっているようだ。 
 ガッシュは、医務室で震え上がり、あちこち見回して別の出入り口が無いかどうか探すが、あいにく、医務室の出入り口は 
 一つしかないようだ。それはつまり、ここから逃げ出そうと思えば、必然的に声の聞こえるほうに近づくこととなり…… 
 
 おそらく、戦っているか殺しの相談でもしているだろう連中の前へと無防備に姿を現さなければならない、という事になる。 
 
 
 「逃げられぬ……となれば、あやつらが居なくなるまで、ここで待つしかないのか……?」 
 
 冷汗まみれの顔でそう呟くガッシュ。しかし、ここで待っていても、助かるとは限らない上、隠れて時間を無駄にすれば 
 無駄にするほど清麿が危険な目に会う確率が高くなり、無事に出会える確立は下がっていく。 
 で、あるから、奇襲をしよう。と、ガッシュは考えた。 
 一気に突っ込んで、驚かせるか何かして隙を作った後、息が続く限り全速で逃走する。それが、ガッシュの考えうる限り、 
 最良の方法。 
 
 「今行くぞ、清麿ッ!」 
 
 デイパックを背に背負い、頭にポルヴォーラを乗せて、いざ発進。覚悟を決めて飛び出し、人影が見えたら声を上げる。 
 首絞めティオもかくやと言わんばかりの形相で、両手を大きく振って全速前進するガッシュ。医務室から少し進み、船の 
 大広間に出ると、そこには人影が一つ。ガッシュに気が付いた様子で、両腕を構え、迎撃の態勢をとる。 
 
 そして、ガッシュと人影が今にもぶつかろうとする瞬間…… 
 
 「ちょーっと待った待った待ったァァー!爆発するーゥゥ!」 
 
 人影と共に大広間に居た一羽のカラスが、大きな叫び声をあげ、大広間は凍りついた。 
 
 
 
 
 「……つまり、あたしたちの話し声にびっくりして出てきた、ってワケね。」 
 
 騒ぎが一段落し、互いの情報交換を終えた後の大広間。青い髪の少女がガッシュに話しかける。 
 
 「そうなのだ。切るとか、〆るとか聞こえてきて驚いたのだ。まさか、こんなことをしているとは、思いもしなかったのだ」 
 
 そういって、傍らのテーブルを見つめるガッシュ。そこに用意されていたのは、豪華に飾り付けされたテーブルクロスと、 
 大きな皿。奇妙な形の反りが入った大きなナイフに、ブリ。まごうこと無きブリ。青の背に、銀の腹を持ち、体の中央には 
 金のラインが入った息のいいブリが、飾られたテーブルの皿の上で、ビチンビチンと音を立てて跳ねている。 
 
 「ま、このお嬢さんとのお近づきのしるしに、ケーキカットならぬブリカットとしゃれ込もうと思ったってワケさ。ちょうど 
  都合よく、俺のディパックから出てきたもんでね。あ、あとカット用のナイフもね。俺も、探し人はいるんだけど、そいつ 
  なかなかにしぶとくてね、そー簡単にくたばりゃしないだろうから、今はアレンビーちゃんと親睦を深めるのが先決だと 
  思ってさ。彼女の話によれば、彼女の探し人も相当タフだっていうし。それに、このブリも早いところ喰ってしまわない 
  と痛んじまう……etc」 
 
 黒いカラスが、青い少女につつつーっと近づいていく。羽ばたきもしないのに宙に浮いているように見えるのは、目の 
 錯覚なのだろうか。水の入ったワイングラスを傾けながら、アレンビーに向けて話しかけ続けている。 
 
 「とりあえず、お互い怪我もしなかったみたいだし、それはよしとしてさ。あんたの話してくれた清麿、だっけ?そのコ、 
  武芸の心得も無いんでしょ。じゃあ、急いで助けに行ったほうがいいんじゃないの?」 
 「そ、そうなのだ!急いで欲しいのだ!急がないと清麿が危ないのだ!」 
 
 カラスの話をスルーして、ガッシュに語りかけるアレンビー。ガッシュはハッと顔を上げ、力説する。 
 
 「それじゃあ急いだほうがよさそうね!荷物を纏めて探しに出ましょ!」 
 
 青髪の少女アレンビーは、そう言うなり各自の荷物をチャッチャと纏め始める。 
 
 「ガッシュは、私の背に乗って。ポルヴォーラってのは、頭の上でいいよね。ブリは……尻尾掴んで持っていけばいいか、 
  いざとなったらリボンの代わりとまでは行かなくても、鈍器くらいにはなるだろうし」 
 
 あっという間に荷物は片付き、出発の準備が整った。ガッシュを背に乗せ、ポルヴォーラを頭に載せて、ブリを右手に、 
 火の灯ったカンテラを左手に付かんだアレンビーは、そのまま走り出すと、豪華客船の最上甲板へ、あっという間に 
 たどり着いき、そこからそのまま陸地目掛けて飛び降りた。 
 
 
 「おーい!あんたどうしてこっちこないんだよー?」 
 
 初対面時はあれほど引っ付いてきたのに、ガッシュとの合流直後から常に一定の距離を保ち、一向に近づいて来ようと 
 しないカラスに、高く飛び上がったままアレンビーは問いかけたが、 
 
 「アレンビー!オレはいつでも遠くからお前のことを見守っているよぉーん!」 
 
 カアスから返ってきた返事は、これだけ。 
 
 
 「可愛いけど……バカな女」 
 
 これが、現時点におけるキールの認識するアレンビー像であった。 
 
 
 
 【E-3/豪華客船最上甲板上空5m/1日目/深夜】 
 
 【機動武闘伝Gガンダム@アレンビー・ビアズリー】 
 [状態]:健康 
 [装備]:背中にガッシュ、頭にポルヴォーラ、右手にブリ、左手にランタン 
 [道具]:支給品一式、ブリ@金色のガッシュベル!!(鮮度:生きてる) 
      爆弾生物ポルヴォーラ@王ドロボウJING 
      不明支給品1~3(本人確認済み、少なくともブリよりリーチの長い近接武器は入っていない) 
 [思考] 
 基本思考:螺旋王にドモンとダブルゴッドフィンガー! 
 1:高嶺清麿を最優先で捜索! 
 2:ドモン及びジンを捜索! 
 3:悪いヤツにはビームブリをブチかます! 
 4:強い人が居たら、ファイトしてみたいと心の片隅では思ってたり…… 
 
 [備考] 
 ※いきなりキールに口説かれてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。 
 ※シュバルツと東方不敗は死人と認識。 
 ※キール、ガッシュと情報交換済み 
 
 
 【キール@王ドロボウJING】 
 [状態]:健康 
 [装備]: 
 [道具]:支給品一式、ジンの仕込みナイフ@王ドロボウJING 
 [思考] 
 基本思考:とりあえず、さっさと会場から逃げ出す 
 1:仕方ないので高嶺清麿を探してやる 
 2:アレンビーと二人でウエディングブリに入刀したい 
 3:ジンも探さしてやるか 
 4:ポルヴォーラには近寄りたくないけど、アレンビーが襲われれば駆けつける 
 5:他にも女性が居たら口説くつもり、野郎には興味なし 
 
 [備考] 
 ※いきなりアレンビーを口説いてから今までノンストップなので、名簿の確認はまだ。 
 ※アレンビー、ガッシュと情報交換済み 
 
 
 【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!】 
 [状態]:健康、おでこに少々擦り傷 
 [装備]:赤い魔本@金色のガッシュベル!! 
 [道具]:支給品一式、ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム 
 [思考] 
 基本思考:螺旋王を見つけ出してバオウ・ザケルガ! 
 1:なんとしてでも高嶺清麿と再開する 
 2:ジンとドモンを探す 
 3:ブリ喰いたい 
 
 [備考] 
 ※色々あったので名簿の確認はまだ。 
 ※魔本が清麿以外にも読める可能性は全く考えていない 
 ※キール、アレンビーと情報交換済み 
 
 
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 |アレンビー・ビアズリー|062:[[睡蓮-あまねく花]]|
 |ガッシュ・ベル|062:[[睡蓮-あまねく花]]|
 |キール|062:[[睡蓮-あまねく花]]|





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