澪「馬鹿律!」

ゴッ

律「うぁた!」

紬「うふふ♪」

いつもの部活、いつもの風景、
いつもの澪先輩に律先輩、むぎ先輩。

唯「あずにゃ~ん!」ダキッ

いつもの唯先輩。

梓「もう・・・暑いんですからあまりくっつかないで下さい」

唯「あずにゃんのいけず~」スリスリ

あーぁ、唯先輩が澪先輩だったらいいのに・・・。

澪「部長のお前がやる気なくてどうするんだよ!」

律「そんな本気で怒ることないだろぉ~練習なら後でやるって。カリカリしないでお茶でも飲んでまったりしようぜ!な?」

澪「り~つ~!」

スッ

律「タイムタイム!み、みんな~練習するぞ~!」

唯「え~!あずにゃんとスリスリしてた~い」

唯先輩…あなたは音楽室に何をしにきてるんですか…

律「却下!澪に殴られるのは私なんだぞ!」

律「さぁみんな位置につけ~」


季節は夏。

唯「ぶ~!あずにゃんといちゃいちゃしたいのに」

夏休みが始まってもう一週間。

紬「あらあら、練習の後にいくらでもイチャイチャできるでしょ♪」

梓「変なこと言わないでください!」

律「いいから始めるぞ~!1、2、3」

私にとって忘れられない夏になりました。

ジャジャ、ジャジャ、ジャーン

律「まあ、こんなもんか」

澪「う~ん」

唯「あずにゃ~ん、練習終わったよ~」ダキッ

梓「ええ!?まだ一曲目ですよ!?てか、暑っ!」

唯「スリスリ~えへへ」

梓「ぁ、暑い…!離れて…!」

澪「…」

澪「なぁ梓、ちょっとリードギターをやってみないか?」

梓「私が…ですか?」

唯「ええええ!?」

唯「異議あり!」ズビシッ

律「認めず!」

唯「ガーン!」

梓「私はいいですけど、唯先輩が…」

唯「異議あ」

澪「認めず!」

澪「まぁ、軽い気分転換と思ってさ。バンドのためにもいいし。唯の競争心を煽れるからな」

澪先輩が私に期待してくれてる。
澪先輩の期待に答えたい。
梓はギターがうまいな。って褒められたい。
あと、唯先輩みたいに抱き締めてくれたらな…なんて。

梓「や、やってやるです!」

ジャジャ、ジャジャ、ジャーン

澪「うん、中々良かったな」

律「だな。なんか新鮮な感じがしたよ」

唯「うっうっう…;;」

梓「唯先輩、演奏中に泣くの止めてください」

唯「あずにゃ~ん」ダキッ

梓「うわっ!また…!」

唯「あずにゃん!落ち着いてる場合じゃないよ!私はあずにゃんの座を狙ってるんだからね」ふんすふんす

梓「ダメです!澪先輩の期待に答えるんです!」

唯「なにをー!あずにゃん可愛いなぁこのやろ~!」

梓「何の話ですか!?は、離れて下さい~!」

唯「あはは~スリスリ~♪」


……

律「梓の奴、すっかり軽音部に溶け込めたな」

紬「きっと唯ちゃんのおかげね♪」


帰り道

梓(今日はみ、澪先輩と二人きり…)

澪「笑っちゃうよな。それでな~」

梓「む、むふぅ!」

澪「梓?おーい」

梓「ひぁあ!は、はひっ!」

澪「どうした?ボーッとして?」

梓「いや、あのその…ひ、髭!」ズバーン…!

私はツインテールの先端を口の周りに持ってくる。
澪先輩はキョトンとしてコチラを見ていた。

やっちゃったぁ…。
よりによって澪先輩の前でなんてことを…。

澪「」キョトーン

梓「う、うぅ…」

澪「ぷっ、あははははは!」

梓「!?」

澪「アハハ、ごめっ、まさか梓が…ぷっはははは」

なんということでしょう。
澪先輩のツボは髭でした。

澪「ご、ごめんごめん。まさか梓がこんなことすると思わなくて…」

澪(まさか私と被るなんてなぁ…)

梓「ごめんなさい…」

澪「ふふ、梓は可愛いな。唯の気持ちが少しわかったよ」ナデナデ

梓「あぅう…」

澪先輩の手は温かポワポワでした。



ある日の音楽室

律「みんなー夏祭り行こうぜ~!」

唯「夏祭り?今日どこかで夏祭りやってるの?」

律「やってるぞ~!金魚すくいやって~射的やって~」

唯「かき氷食べて~綿あめ食べて~」

紬「花火もあるわ♪」

唯「いいね~花火!あとたこ焼きも!」

唯先輩、食べ物ばっかりじゃないですか…。
そんなことより、澪先輩もお祭り来るのかな…。

澪「あー…私その日はちょっと…」

ガーン…。
澪先輩がいかないなら私も…。

律「なんだぁ~?まさか彼氏と祭に行くって言うんじゃないだろうなぁ」

梓「!?」

梓「先輩に彼氏…そんな」

紬「そんなことあるわけないわ!」

梓「!?」

紬「澪ちゃんに彼氏だなんて…そんことあるわけない!;;」

律「な、泣くほどか…?」

澪「ち、違うよ!彼氏なんているわけないだろ!」

律「と仰っておりますがどうでしょうか唯さん」

唯「実に怪しいですなー律さん」

澪先輩に彼氏…。
澪先輩に…。
そんなの…嫌。

紬「でも澪ちゃん可愛いしスタイルいいから男性が放っておくわけないわよね;;」

澪「な!?変なこと言うなぁ!」

澪「と、とにかく用事があって行けないから!」プンプン

律「へーへーわかりやした。梓は?行くだろ?」

梓「私ですか…?」

梓(澪先輩が行かないなら私も…)

唯「あずにゃ~ん!来てくれるよねぇ」スリスリ

梓(それは無理か…)

梓「わかりました。どうせ暇ですしお付き合いします」

律「へっへー梓ゲット~!」ダキッ

ちょ…律先輩まで抱きつかないで…。

唯「あずにゃ~ん」スリスリ

梓「ふ、二人はきつい…!」

律「澪なんかほっといてみんなで楽しくやろうぜ~!」

澪「うっ…もぉ~!用事があるんだから仕方ないだろ!」


夏祭り会場

律「梓~!こっちこっち」

梓「あっ、遅れてすいません。浴衣着るの難しくって」

唯「あずにゃん自分で着付けたの?私は憂に着付けてもらったんだ~。ねぇねぇ、私の浴衣どう?」

唯先輩はピンクの浴衣を靡かせながら、
嬉しそうにクルクル回った。
可愛いと思います。

律「梓は黒の浴衣か、何か澪もそんな感じの浴衣を着そうだな」

梓「ん…」

私は顔を赤らめて俯く。
澪先輩も着そうな浴衣。
私もそう思ってこの浴衣を選んだんです。
澪先輩とお揃いになりたくて…。

律先輩は水色の、
むぎ先輩は白の浴衣。
浴衣の色がそれぞれの人となりを表してるみたいでとても面白いです。

律「私はあんまりこういう格好したくないんだけどなー。まあ、せっかくの機会だし」

唯「りっちゃん可愛いよ~。りっちゃんのくせにハート柄かぁ。女の子しちゃって~」

律「な!?こ、これしか家になかったんだ!それにピンクのお前に言われたくねぇ~!」

顔を真っ赤にして唯先輩に掴みかかる律先輩。
なかなかどうして、可愛いですよ。

紬「やっぱり浴衣は新鮮でみんな可愛いわねぇ♪」

む、むぎ先輩は極道の女みたい…。

唯「あずにゃん、たこ焼きだよ~熱々だよ~」

唯「あーん」

梓「あーん」

唯「…」スッ

梓「(´・ω・`)ショボーン」

唯「ほい、あーん」

梓「あーん」

唯「…」スッ

梓「(´・ω・`)ショボーン」

唯「か、可愛い…!」

律「何してんだお前は…」


夏祭り会場

澪「うぅ…まさか律達とバッタリ、なんてことにならないよな…」

澪「いやいや、こんなに人がいっぱいだから大丈夫!…だよね?」ブツブツ

男「澪さん、どうかした?」

澪「ひぇっ!な、なんでもないの!」

男「そう、何か食べたい物とかある?おごるよ」

澪「えっと…じゃあ…」オロオロ

澪(男の人と並んで歩くなんて恥ずかしいよぉ~…)

澪「はぁ…何か疲れるな…」

ブチッ

澪「あいたっ!?」ビターン

男「澪さん!?大丈夫!?」

澪「いたた…草履の結び目が…」

男「切れちゃってるね。直してあげるから座れる所に行こうか。肩に掴まって」

澪「う、うん…」


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最終更新:2010年01月02日 20:31